鉄塔武蔵野線

鉄塔 武蔵野線 (新潮文庫)

鉄塔 武蔵野線 (新潮文庫)

少年冒険小説。
夏休み、引越しを間近に控え、少年は鉄塔めぐりに出る。
きっと一号鉄塔の向こうには原子力発電所があるんだっていうくだりがとても夢があっていい。
一基の鉄塔をマニアックに解説しながらスタンドバイミーごっこする。しかも81基も。
都会に住んでいるとなかなか見かけないが、すこしローカルな地域に行けば巨大な姿でそびえる鉄塔。意識してなければ視界に入らないようなごく当たり前な巨大な建造物に少年は魅入られる。
自分も子供のころ電車が好きだったのでなんとなく気持ちがわかるなあとか。


ただ残念なのは文末がほとんど「〜でした」で終わっているところ。
テンポが最悪の上、読みにくい。途中で読むの止めようかと思ったほど。
だが、主人公の少年の一人旅が始まってからは止まらなかった。お前は良くやったよって感じで。